症例のご紹介

2015年8月25日 火曜日

巨大な脾臓腫瘍と巨大な乳腺腫瘍。

先日から、巨大な脾臓腫瘍や巨大な乳腺腫瘍の手術が続きました。

脾臓腫瘍は腹腔内の大部分を占拠するほど巨大で、貧血や出血傾向もあったのでかなりハイリスクな手術となってしまいましたが、何とか無事に手術も終わり、術後経過も順調です。
年齢や病態から、手術するべきかどうか本当に迷うような状況だったのですが、ご家族とよく話し合った上で手術にふみきりました!
病理組織検査結果は良性でしたが、手術しなければ早々に亡くなっていたと思われる状況でした。。。
 


乳腺腫瘍は両側に多発性にできており、大きなモノは5cm以上もあったので1回の手術で全摘出すると皮膚がよらなくなるかと心配しましたが、色々なテクニックを駆使して何とか無事に縫合できました。
乳腺組織摘出前に避妊手術をしているので、摘出した乳腺の中央部に切れ目ができています。
病理組織検査では、悪性部分と良性部分の両方がありました。
 

リスクの高い手術でも、挑戦しなければよい結果は得られません。
手術が可能かどうかは悩ましい事も多く、患者様のご家族と十分に話し合った上で決める事にしています。
今後も早期発見早期治療を目指すのは当然ですが、どんな条件でも簡単にあきらめずに頑張っていきたいと思います!



投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2015年8月 1日 土曜日

猫の帝王切開

7月は一度も手術のブログをアップできずに8月になってしまいました。。。

先日、久しぶりに猫の帝王切開がありました。
猫は自然分娩する事の方が多いのですが、まれに帝王切開が必要になる事があります。
今回の場合、1匹目がつまって亡くなっていました。
2匹は何とか無事に蘇生できたのですが、うまく成長してくれるかどうかはわかりません。

生まれたての子猫は本当にカワイイですね!
でも、この時期の子猫は2時間おきに哺乳しないといけないので、母猫は本当に大変だろうと思います...。


投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2015年6月19日 金曜日

ウサギの子宮水腫と猫の子宮蓄膿症。

久しぶりの更新でスイマセン。。。

今回はウサギの子宮疾患として子宮水腫、
ネコの子宮蓄膿症のご紹介をさせていただきます。

中高齢のメスの動物はホルモンバランスの異常から子宮疾患になる事がよくあります。
犬の子宮蓄膿症は有名だと思いますが、ネコやウサギ、ハムスターなどでも子宮疾患は頻発します。

これらの病気の予防は早期の避妊手術しかないため、若くて健康なうちに手術をされる事が推奨されています。
避妊手術をしてなくてこのような病気になった場合、なるべく早くに診断して、体力が少しでもあるうちに外科治療を行なう必要があります。内科治療で症状の改善はできるかもしれませんが、完治は望めないためです。


お腹がパンパンに張ったウサギさんの開腹をすると、
巨大な子宮の中に液体がたくさんたまっていました。



ネコちゃんの子宮蓄膿症。膿汁が陰部からダラダラでてました。


今回のケースはいずれも無事手術も終わり、術後経過も良好だったのでよかったのですが、手術に耐えられないくらい病態が悪化した状況で来院される事もあるので注意が必要です。。。

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2015年5月31日 日曜日

指先の扁平上皮癌による断指手術

バタバタと忙しくて久しぶりの更新になってしまいました。
もう5月も終わろうとしているのに...。

今回は、先日行なった指先の扁平上皮癌の断指手術です。
初診来院されるまで、爪根部での炎症を疑われて抗生剤や消炎剤、外用薬などによる内科治療が行なわれていました。
爪が剥がれたのは腫瘍のせいだったのですが、爪が剥がれて炎症が起こっていると思われて消毒されていたのかと思います。


治療経過的に炎症という可能性は低いと思われたので、細胞診検査を行ないました。
取れてきた細胞は異型のある扁平上皮細胞で、炎症細胞も少なかったので腫瘍が強く疑われました!

全身麻酔下での外科手術を計画し、十分なマージンを取って断指手術を行なったところ、術後大きな問題もなく治癒。
跛行もなく元気に走り回れるようになっています。

炎症と腫瘍の鑑別は常に気を遣うところですが、検査結果や治療経過なども考慮しながらきちんと診断していかなければと思います。




摘出した指

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2015年4月 3日 金曜日

耳道内腫瘍の外科治療

耳道内腫瘍によって慢性外耳炎を起こしていたワンちゃんの外科治療を行ないました。
腫瘍が耳栓のような形で耳道を塞いでいたので、全身麻酔下で半導体レーザーを用いて切除しました。
耳道の手術と同時に、歯科処置(スケーリングや抜歯)も行ないました。


高齢動物の麻酔はリスクを伴う事もありますが、病態や状況によっては十分可能です。
術前検査でしっかりと全身状態を把握し、手術のメリット・デメリットなどを考えた上で適切な対応をしていきたいと思います。

<手術前>表面が一部自壊した腫瘤が見られます。


<手術後>腫瘤がなくなり、耳道の奥が見えるようになりました。



ちょっとまた違うワンちゃんですが、こんな感じの腫瘤の子もいました。
この子も同じく腫瘤の切除により外耳炎症状がかなり良くなりました!

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL