症例のご紹介

2014年3月29日 土曜日

小型犬の腸閉塞(ウメボシの種?)2例

最近経験した、腸閉塞の症例のご紹介をします。
いずれも頻回の嘔吐を主訴に来院されました。
数日前までは元気・食欲はしっかりとあったのに急に具合が悪くなり、様子を見ていても治らないから来院したケースです。

超音波検査(エコー検査)にて拡張した腸管が異常な蠕動運動をしており、その先に高エコーな異物の存在を確認できました。
いずれの症例も通過してきた腸管はかなり痛んでいますが、壊死まではしていなかったので腸切開のみで対応できました。


 


 

術後経過はいずれも良好で、術後翌日より食欲が出てきたため24時間後から流動食を開始。数日後には退院という経過になりました。

異物誤食のリスクは常にあるため、飼育環境の整備が大事になります。
我々獣医師は詰まってしまった時には早期診断・早期治療ができるように対応しますが、一番大事なのはこのような事故が起こらないような予防だと思っています。

動物と一緒に暮らしている皆様にはくれぐれもお気をつけいただきたいと思います!!!

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2014年3月20日 木曜日

耳血腫の犬の手術をしました!

先日、久しぶりに耳血腫の犬の手術を行ないました。
耳血腫は耳介軟骨の損傷によって耳に血液がたまる病態で、犬において時々見られます。猫やウサギやフェレットでも起こる事はありますが、あまり多くない気がします。
内服薬を中心とした治療や定期的に針を刺してたまった液を吸い取りつつ耳を圧迫するなど、様々な内科的治療で治癒する事も多いため、手術までするケースはそれ程多くありません。

今回のケースは当初耳介の一部において耳血腫が起こっていたのですが、内科治療をしていても全体に拡がり、ワンちゃん自体がかなり耳を気にして振っているような状況だったので手術を決断しました。

術式はいくつかの方法が報告されていますが、今回は耳介内側にいくつかの穴をあけて縫合する方法をとりました。
なるべく耳介の変形が少ない状態で治ってくれればと思います。


  術前の腫れた耳          


  手術後の腫れのなくなった耳


   術後の耳介の内側の様子

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL