症例のご紹介

2016年3月19日 土曜日

耳道内腫瘍による総耳道切除手術

先日、耳道内にできた腫瘍によって慢性外耳炎がひどくなり、内科治療のみではコントロールできないコッカースパニエルで、総耳道切除という術式の手術行ないました。

小さいポリープだけならレーザーで局所切除も可能ですが、大きくなって耳道閉塞を起こしている事、左右とも慢性外耳炎で管理が大変な事なども踏まえ、この術式を選択しました。

慢性外耳炎が内科治療でコントロールできない場合の究極の治療?って思いながら頑張って手術をするのですが、顔面神経を傷つけないように細心の注意をしたり、術後の炎症の管理を一生懸命しないといけないので本当に気を遣う外科的な治療法です。

今回のケースでは、やはり鼓室包内でも結構な炎症が起こっていたので、この術式を選択してよかったと思います。
感受性検査の結果では多剤耐性を示す細菌も繁殖しており、適切な抗生剤の選択も必要でした。


ポリープによって耳道閉塞し、耳道洗浄が困難な状態の耳


耳の穴はなくなっていますが、耳介はスッキリしています


摘出した耳道とその中にある耳道腫瘤

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL