症例のご紹介

2013年9月18日 水曜日

軟部組織外科の講習会に参加。

今回は手術症例の話ではなく、日曜日に参加した京都市獣医師会主催の軟部組織外科講習会への参加報告です。
講師は大阪府立大学外科学教室の秋吉先生で、私と同い年の若手外科医です。若手とは言え、本当にたくさんの手術経験をされているようで、色々と勉強になる知識やテクニックを披露していただきました。

今回は午前中に泌尿器外科(膀胱、尿道など)、午後から肝臓腫瘍や胆嚢粘液嚢腫、会陰ヘルニアのような一般的に我々も遭遇する機会の多い手術テクニックについて講演いただきました。
これまでやってきた手術の復習であったり、大学ならではの最新治療の話題を聞く事ができました。

今回聞いた中で一番興味深かったのは、膀胱や前立腺腫瘍時の膀胱尿道全摘出術の術式で、あまりやる事のない手術ではあるものの、必要な時には十分対応できる知識と技術を教えてもらえた気がしています。




今週は通常の去勢や不妊手術以外に、腹腔内潜在精巣(陰睾)の摘出手術や割れた上顎前臼歯の抜歯、乳腺腫瘍手術などが入っています。頑張っていい仕事ができるようにしたいと思います!!!

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2013年9月14日 土曜日

歯科症例(上顎臼歯の根尖部膿瘍による抜歯)〜目の下が腫れてきた!

最近ちょっと続いていたので、歯科症例をピックアップしてみました。
単に歯石がついてスケーリングをするだけならそれ程大変ではないのですが、この症例のように歯石は軽度なものの根尖部膿瘍になっていて臼歯の抜歯をしないといけないケースではちょっと大変になってきます。
よく根尖部膿瘍の原因になっている上顎第4全臼歯は歯根が3本もあり、歯を割らないと抜歯するのが難しいのです。そこで登場するのが3つ目の写真の「ピエゾ・サージェリー」という超音波の振動で歯を砕いたり、歯根膜の剥離をしてくれる機械です。かなりの優れもので、この機械を導入してから臼歯の抜歯のスピードが格段に上がりました。
臼歯を分割して抜歯した後、尖った歯槽骨を削り、残った歯肉でフラップを形成して穴を閉じました。



目の下には歯根部につながる膿の出る穴があいています。

歯石は軽度についていますが、それ程ひどい状況ではありませんでした。



残った歯を大事にするためにも、今後はしっかりと歯みがきをしてもらいたいと思います。。。

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2013年9月 7日 土曜日

「腸閉塞」注意報!

先日から、腸閉塞の症例が続いています。
腸閉塞とは何らかのものによって腸が詰まった状況で、原因には異物や腫瘍、捻転、重積などが考えられます。今回はいずれも食べてしまった異物が腸管内で詰まってしまっており、内視鏡では太刀打ちできる状況ではありませんでした。
急性嘔吐を主訴に来院されるケースが多いのですが、それなりの日数がたってから来られた場合には
治療に苦労する事があります。。。。

異物による腸閉塞の予防には、なにより異物を食べさせない事が第一です!
今回のケースは、タオルを引きちぎって食べていたり、オモチャ?らしきものを食べていたりしました。
「タオルやオモチャは絶対に入れてはいけないもの」とは思いませんが、それを食べてしまうような子達なのであれば入れない方が良いでしょう。

今週はこれ以外にも交通事故や腎不全、腫瘍の症例などでバタバタしてしまいましたが、ようやく週末を迎えました。週末も入院の子がいるので気を抜けませんが、少しゆっくりと休みたいと思います。

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