小動物の外科手術

小動物の病気について

小動物の病気について

小動物は、ワンちゃんや猫ちゃんと比較するとペットとして飼われている歴史がそう長くありません。
ウサギやハムスターはペットとして飼育をするようになりましたが、本来、「野生動物」であることに変わりありません。
もともとは、弱肉強食の厳しい世界で生きている動物です。
その為、小動物は病気でも怪我だとしても、それらを外敵に知らせることはありません。弱肉強食の世界では、弱みを見せることが命取りになりかねないからです。

ですから、もし何らかの不調があったとしても、症状を表に出すことはありませんから、一緒に暮らしていても、病気を早期に発見することは大変困難です。
「今日は何か様子がおかしい、いったいどうしたんだろう」と思われた時には、既に症状がかなり進行しているとお考え下さい。実際に当院に連れて来られた時には、すでに症状が進行している、子たちがたくさんいます。
診療時には、最善を尽くし、慎重に進めております。また、飼い主さんの飼育環境をお聞きしながら、基本的に守らなければならないことをお伝えしております。

ワンちゃんやネコちゃんの場合に比べると、かなり病態が進行していることが多いため、小動物の場合、致死率は高くなることを心に留めておいて下さい。
これは、初診時に既に重症化していることや、本来、野生動物はデリケートであり、医療行為のストレスによって治療の途中で息を引き取ることがあることをご理解下さい。

小動物の症例集

ウサギの過長歯

小動物の病気について

ウサギの歯は咬み合せが悪いとどんどん伸びてきてしまいます。切歯(前歯)が伸びているのは気付きやすいのですが、臼歯(奥歯)が伸びてきているのは専用の器具で口の中を見ないとわかりません。過長歯では、食事が食べにくくなったり、食欲が落ちたり、よだれをたらしたりします。進行すると舌や頬粘膜を傷つけてしまうので、麻酔下での処置が必要となります。

ウサギの子宮癌

避妊手術をしていないウサギで非常に多い腫瘍です。陰部からの出血や血尿を主訴に来院される事が多く、気付いた時点ではかなり進行していることもあります。予防には早期の避妊手術が有効です。

ウサギの子宮水腫

卵巣ホルモンの異常により子宮に液体がたまり、お腹が張ってきて食欲が落ちてきます。かなり進行するまで気付かれない事が多いため、お腹が膨らんできた時には早めに検査をするべきです。予防には早期の避妊手術が有効です。

ハムスターの肢端腫瘍

ハムスターは腫瘍がとても多い動物で、できる場所や全身状態などによって手術ができる場合と出来ない場合があります。早期発見・早期治療によって完治する事もあるため、異常がある場合は早めに動物病院に受診される事をお勧めします。