症例のご紹介

2014年11月 2日 日曜日

手術ではないのですが...。

最近、こちらのブログの更新がかなりご無沙汰になってしまいました。
トピックスにするような手術が少ないというのもありますが、単なる手抜きと言う話も...。

今回は、手術とは関係ない話題です。
先日、血液検査や尿検査などに用いる遠心分離器が壊れました。モーターが故障したらしく、
使用中に煙を噴いておかしくなったのです。。。

すぐさま業者さんに連絡して新しいものを搬入。12年の間よく頑張ってくれました!
で、新しい機械はというと、見た目上あまり大きな違いはありません。
少しグレードアップはしていて、使い勝手や視認性は良くなった感じです。


旧バージョン「KUBOTA3200」   


新バージョン「KUBOTA3220」

間違い探しかという程度の外観の違いです...(笑)
リュウちゃんは早速、乗り心地のチェックをしてました。
スタッフが遠心器の上でカルテを書いていると、必ずカルテの上に載ったり、ボールペンにスリスリしてきて邪魔するんですよね(爆)。
ホント、可愛すぎて困っちゃいます。。。

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2014年10月11日 土曜日

パグの帝王切開手術(5匹)

昨日の昼、パグの帝王切開手術を行ないました。
術前のレントゲンやエコー検査で5匹の妊娠が確認されており、全員元気に生まれる事ができました。
母犬の状況もバッチリで、授乳もうまくできそうな感じでひと安心!


生まれたての仔犬はどんな犬種でも本当に可愛いのですが、短頭種のこの顔はサイコーデス!!!
無事に生まれるまではドキドキする手術ですが、今回も無事にうまく終わって本当に良かった。

短頭種の麻酔は他の犬種よりもリスク(危険性)が高いという事はよく知られていますが、「リスクが高い=手術ができない」という事ではありません。この辺をたまに間違って解釈されている事があるので、念のため書いてみました。。。

投稿者 西京極どうぶつ病院 | 記事URL

2014年10月 8日 水曜日

犬の会陰ヘルニア整復手術と猫の...。

最近、学会シーズンという事などもあってバタバタしていました。
そんな最近の症例から、、、
未去勢雄犬の会陰ヘルニアの手術の報告をさせていただきます。
会陰ヘルニアは去勢手術をしていない犬に多く、特にワンワンよく吠える子はおシリに腹圧がかかるので要注意です。
アンドロジェンという男性ホルモンが関わっているため、去勢手術を若いうちにしておくと発生リスクを下げる事ができます!
ダックスやコーギーで起こった場合は再発率も高いとされており、手術に際しても細心の注意が必要な病気です。

今回のケースでは、
右側の会陰部に便が貯留して出にくくなっていましたが、
左側にもゆるみが出ていました。

手術は両側を同時にやる事が多く、再発予防のために去勢手術も同時に行ないます。

痛々しいおシリの状況になりますが、術後は気持ちよく便が出る事が多く、術前よりもスッキリする事が多いです。
早期に去勢手術をするのが一番ですが、
もしこの病気になった場合は早めに手術をする事をお勧めします。。。


 


ついでというわけではありませんが、、、
妊娠中のネコの堕胎手術もありました。
多頭飼育で子供を作りたくない場合、
是非とも不妊手術をしておく事をお勧めします!!!


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2014年9月 6日 土曜日

犬の下顎部メラノーマ(黒色腫)

先日、下顎部に巨大な腫瘤ができてご飯が食べにくくなったワンちゃんが来院されました。
高齢のために大きな手術ができない状況だったため、鎮静処置と局所麻酔下でレーザーを用いての摘出を行ないました。
病理組織検査の結果はメラノーマ(黒色腫)だったので、今後は局所再発や遠隔転移などに注意が必要ですが、とりあえず現時点では経過良好。
根治は難しい腫瘍に対しての緩和的な処置ですが、QOLの改善には十分役立ちました。



<術前>
 

<術直後>
 

<術後2週間>
 

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2014年8月17日 日曜日

肥満細胞腫の手術

忙しさにかまけて、ずいぶん更新を怠ってしまっていました。
お盆の時期で少し暇になったので、久しぶりに最近の手術症例からアップしてみます。


今回取り上げるのは肥満細胞腫で、犬では悪性腫瘍に分類されます。猫やフェレットでは犬ほど悪性ではない事が多いため、動物種によって大きく考え方が変わってきます。
細胞診検査で比較的簡単に診断されるため、しこりができたらまず針を刺して診断しておく事が大事です!!!

肥満細胞腫は浸潤性の強い腫瘍なので、軟部組織肉腫同様にかなり広いマージンを取って切除しないと局所再発するリスクが高いためです。

今回のケースは肩甲背部の皮下にできた肥満細胞腫だったので、写真のような広いマージンを確保して切除しました。
周囲には2cm以上、深部方向には筋膜1枚以上のマージンで切除しました。切除後にレーザーで蒸散処置も施したので、きっと取り切れた事と思います!

術前


術中


術後


病理検査結果は当然「肥満細胞腫」で、切除縁での腫瘍細胞の露出もなく、切片状では脈管内浸潤もなかったので、完全切除と考えます。
術後の抗がん剤までするかどうかは考え方かと思いますが、局所再発や遠隔転移が起こらないか注意深く観察していきたいと思います!

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