症例のご紹介

2013年3月27日 水曜日

肺腫瘍の手術〜肺葉切除術〜

先日、肺葉切除術を行ないましたのでアップします。

咳を主訴に来院されたチワワさんで、原因を調べるためにレントゲンを撮ってみたら肺に異常な陰影がみられました。この子は心臓病で治療中のため、心臓の病態が悪化したのかと思っていましたが、原因はこの肺腫瘤の可能性が高いと思われました。
抗生剤・消炎剤などによる内科治療でも縮小傾向が見られないため、限局的な肺炎や肺膿瘍の可能性は否定的で肺がんの可能性が高いと考えて外科治療に踏み切りました。

手術は肋間開胸にてアプローチし、
右肺後葉の肺葉切除術を行ないました。
手術は大きな問題もなくスムーズに進行して無事終了。
術後経過も良好!!!

 
レントゲン(術前:矢印が腫瘤)(術後:なくなった肺の方に心臓が寄る)


 術中写真

 摘出した右肺後葉とその腫瘤

今回のように比較的早期に発見された単独の腫瘤の場合は手術適応になりますが、かなり進行した状況で発見された場合は手術が難しくなる事もあります。腫瘍は高齢の個体で起こってくる事が多いため、その子の全身状態が手術に耐えられるかどうかという判断も非常に大事になってきます。

人間の健康診断と同様に、動物でも定期的な胸部レントゲン撮影で肺や心臓の病気を早期発見できるようにしていく事が重要です。


投稿者 西京極どうぶつ病院